まえがき

釣りで最も大切なことは、魚が目の前の釣りエサを食べてくれるか否か?

釣りエサを制する者は釣果を制する。

釣り人が思っていることと、水中の魚が感じていることの間には大きな違いがある。

釣果を上げている人に共通するのは、道具よりも釣りエサに神経を使っている

種類、鮮度が良い、状況での使い分け、頻繁な交換

この本のエッセンスを紹介しますので、釣りに役立ててください。

もっと詳しく知りたい方は、図解も豊富な下記の書籍をお読みください。

1章 釣りエサの種類と特性

fishing foods

 釣りエサの大分類は、疑似餌かそれ以外か

 これを詳細に分類すると、

 ・疑似餌・・・ルアー、毛ばり、その他

 ・それ以外・・・生き餌(活き餌、貯蔵エサ)、加工エサ(練りエサ、配合エサ)

  それ以外は、エサの加工度によって分類される。


2章 魚から見た釣りエサと釣り人

how human looked from fishes


 
魚の目は偏光グラスのような機能が備わっており、暗い水中から明るい地上は魚に丸見えです。

 高速で遊泳する魚、透明度の高い海域に住む魚、魚食性の魚、渓流の魚などは視覚が発達しています。

 また、水の屈折率の関係から、地上から魚はいえない角度でも、魚からは見えているということが起きますので、注意して水面に接近する必要があります。

 本書では、分かり易い実験映像が見られます。

 

3章 魚は釣りイトが見える?


 結論から言えば、食欲と警戒心のバランスで食いつきが変わります。魚にイトは見えています。食欲が警戒心に勝れば、イトが見えていても食ってくるのです。

 

4章 ルアーとエサ、何色がよく釣れる

fishing lure

 太刀魚は、ミッドナイトグロウ、オキアミ、グロウピンクの三色で実験したが、差はなかったらしい。

 カワハギは、青・茶・赤・桜のどの色でも釣果に差はありません。

 アオリイカには、色彩を識別する能力がないとのことです。但し色の明暗は分かるらしいので、全く無効かというと、そうでもありません。

 ですから、カラーローテーションが全く無駄かと聞かれれば、そうでもないようです。

 チヌは、淡い色合い(明度の高い)ものにアタリと釣果が良くでたそうです。

 地上で派手び見えるルアーも水中では色褪せますから、明暗が釣果を左右します。

 

5章 臭いエサの方が魚は集まる?

fishing smelly food


 魚がアミノ酸を感知する能力は大変高く、とくにナマズやアナゴなど夜間に活動する魚は、さらに希薄な
アミノ酸水溶液でも誘引されるようです。

 実験の結果分かったことは、強烈な臭いを発するものに魚が集まって来るのではなく、水に溶解しやすいものに集まってくると分かりました

 

6章 甘いエサは、よく食べる?

fishing sweet food

 アミノ酸は、魚の味覚にも、嗅覚にも作用します。エサの味は、魚が食い込むためにとても重要です。

 寄せ餌は、魚の食欲のスイッチを入れる重要な ”はたらき” があります。黒鯛を釣って調べると、胃袋が満杯であることが多いのです。すなわち寄せ餌を食べさせることが重要だと分かります。コーンで釣れた黒鯛のお腹にはコーンばかり、オキアミで釣れたなら、オキアミばかり出てきます。

 つまり、安全だと思ったエサに食いついて、釣られたということが分かります。警戒心の強いチヌの特徴がよく出ています。

 

7章 釣り場の騒音はNGか

Fishing ground noise

 海底付近でじっとしている魚は耳をそばだてて獲物を待ち構え、泳ぎ回る魚は聴覚よりも視覚に頼ってエサを探しています。

 耳石が大きいのは、カサゴ、キジハタ、マダイ、クロダイなどです。

 大きな音がダメというわけではなく、普段聞きなれない音や振動(水中の糸の揺れ)に対して敏感に警戒します。

 

8章 究極の釣りエサ成分とは

Ingredients for fishing bait

 魚が好んで食べる化学成分は、アミノ酸

 水槽内の実験では、高タンパク飼料と低タンパク飼料を同時に投与すると、魚は高タンパク飼料から摂餌する。

 魚が好むアミノ酸を多く含むエサは、アサリ、マムシ、チロリ、アミエビ、青イソメ、いもグルテン(配合エサ・マルキュー)、チヌパワー(配合エサ・マルキュー)、グレパワー(配合エサ・マルキュー)、モエビ、イカ、タコ、昆布など

 シマミミズは、淡水魚のほぼすべてを釣ることができます。

 オキアミの海中での沈下速度は、毎秒5センチ、これがいい。

 その他のエサについて、ここから紹介されています。貝類、甲殻類(サルエビ、スジエビ、スナモグリ)、ウニ類(ホヤ)など。

 寄せ餌を、遠くへ投入するには、配合エサでダンゴにして放り込みます

 

9章 偽者なのになぜ釣れる

fishing lure

 疑似餌の対象魚は肉食性、魚食性のものが多い。

 長所は繰り返し投入が可能で破損しにくく交換の手間も少ないし、保管も簡単ですぐに釣りに行ける。

 短所は、においもなく短時間で見切られるし、エサのように付け方を工夫することもできないので、いろんな種類のルアーを持参する必要がある。

 最近は、生分解性疑似餌といって、水中で微生物に分解され、水と炭酸ガスになるワームが発売されていて、地球にやさしいもののようです。

 マルキューさんの実験によれば、冷凍イワシよりもソフトルアーの方が釣果が良かったりしたようです。

 

10章 最適なエサ、ルアーのサイズとは

good lure size
ほしいルアーはここにある↑

 ジンベイザメを思い浮かべてもらえば分かり易いいですが、大きな魚が大きなエサを食べているとは限りません。

 鰓耙(さいは)という、エラの前についている網目のような役割の器官の大小でエサの大きさが決まります。

 狭い池などでは、小さい生物まで取れる鰓耙を持った方の魚が生き残るということになります。

 この性質を利用すると、クロダイ釣りでエサ取りとなるボラを追い払うため、粒子の細かい配合エサを撒くと、鰓耙の細かいボラはその寄せ餌に集中するので、その間に本命のクロダイ用の寄せ餌を投入することで、クロダイのいる海底までエサが沈下し、クロダイのヒット率が上がったそうです。

 

11章 魚が食い込みやすい釣りエサの硬さとは

fish respect color
ほしい商品がきっとある↑

 縦になっている小魚を、横から吸うらしいが、ほんとうだろうか。

 アオイソメのソフトルアーは微妙な柔らかさだし、メタルジグならアシストフックを付けておくのが常道かも知れない。

 歯の構造で見ると、スズキやブリは、エサとなる小魚を丸飲みしますが、タチウオとヒラメの歯は食いちぎる構造になっています。ですから、丸飲みする魚に対しては、大きなルアー、食いちぎる魚に対しては、小さめのルアーがいいということになります。

 

12章 釣りエサは環境にどう影響するか

 


配合エサがやり玉にあげられるかと思いきや、根係した針やルアーも環境には良くありません。

水溶性の生分解性ワームなども発売され、環境にやさしいものも増えています。